(7-1)8x2アレースピーカー

     

(7-2)16x2アレースピーカー

        

菅野:「アレイスピーカー」についてどのような設計になっているのでしょうか?

Dr.Scott:OM-MF4MICAのコンパクトアレイは、8基のドライバーを配置することで、1基に比べて9dBの音響的ゲインを得られます。それによって耐入力とダイナミックレンジを向上させ、歪みを低減させることができます。

縦1列にユニット並べることで垂直方向の指向性が鋭くなり、天井や床の反射波の影響を軽減しています。

菅野:ダイナミックレンジの向上、歪と反射波の影響の低減とは良いことずくめですね。ほかにメリットはありますか?

Dr.Scott:OM-MF4MICAは振動系質量(Mms)が1.39gと極めて軽いため、単一の大型ドライバーと比較して、優れた加速度係数、振動板の制御、そして微細信号の高い再現力を実現します。 86Hzで-10dBとなるコンパクトなアレイは、モニタリング用のサテライトスピーカーとして使用、またはサブウーファーと組み合わせて低域を拡張すると理想的だと思います。

菅野:振動系の軽さ(OM-MF4と比べて20%小さい)をより活用できる設計なんですね。

たしかに1つのユニットのときと比べると、多数のユニットを使用したときは1個あたりの振幅が小さくなります。 それによって立ち上がり/立ち下りの素早さ、そしてMarkaudioが得意とする細かな信号への追従性が更に向上するということですね。

ところで、このように8つのユニットを接続したときは12dBのゲインが得られるように思うのですが、9dBとはどういうことでしょうか?

Dr.Scott:これは「能率」と「感度」の違いなだけです。これらの計算式は、以下のように表すことができます。

  1m/1wのアレイ能率利得    = 10log[ドライバーの数]

    1m/2.83vのアレイ感度利得 = 10log[公称ドライバーインピーダンス/公称アレイインピーダンス]

    正味のアレイシステム能率 = [シングルドライバー] SPL + 能率利得

    正味のアレイシステム感度 = [シングルドライバー] SPL + 能率利得 + 感度利得

 

菅野:(計算中)なるほど、「能率」として考えた場合は9dBのゲインが、「感度」として考えた場合は12dBのゲインが得られるということですね。

 S:その通りです。

菅野:かつてのマッキントッシュを彷彿とさせるアレイスピーカー、是非作ってその音を聴いてみたいですね。